【FX自動売買 研究】ボラティリティ比較検証
こんにちは
今回はボラティリティについて検証してみました
自動売買では値動きが激しいほど約定をたくさん繰り返してくれ、ちゃりんちゃりんと収益が上がるわけです
では、実際にボラティリティが大きい暴れん坊な通貨ペアを選びたいとなったとき、どの通貨ペアがどのくらい暴れてくれるの?というのを測る方法はあるのだろうか、という疑問が生じ、検証をしてみることにしました
GWが本日で終わってしまうので、まとまった時間がとれるうちにデータこねくり回して結論がだせた、よかった
1.検証の狙い
今回は以下を検証してみました
検証:AUDJPYとCADJPYのボラティリティ比較
FX自動売買では、基本的に最初に通貨ペアを選択し、トレード条件の設定を行うとあとはほったらかしで待つだけになります
マーケットに委ねるしかないものの、できるだけ有利な条件でトレード設定が行えれば、得られる収益も大きくなるはず、という思いから最適な条件を見つけてみたいというのが今回の検証の狙いです
比較的ボラティリティが大きいとされている(実際に僕もトレードを行っている)AUDJPYとCADJPYの2つの通貨ペアで、どちらがボラティリティが大きいかを過去データから検証してみました
ボラティリティが大きいほど(=変動pipsが大きいほど)、仕掛けたトラップにヒットする回数も増えるため、自動売買ではボラティリティが大きい通貨ペアほど収益をあげやすいとされています
2.検証方法
AUDJPY、CADJPYの2つの通貨ペアについて、過去の取引データからボラティリティの推移を比較しました
対象期間:2018年1月から2020年4月まで
使用データ:ボラティリティ = 1分足の高値-安値のpips数として測定
月ごとに、当該月の全ての1分足データを参照し、1分毎の高値-安値のpips数を平均したものをその月のボラティリティとしました
3.検証結果
3-1.平常時データでの検証
[2018年-2019年推移]
細い線:各月の平均値 / 太い線:12ヶ月移動平均
2年間平均:
- AUDJPY:1.3102 pips/分 (CADJPYの約1.073倍)
- CADJPY:1.2254 pips/分
2019年12月時点の12ヶ月移動平均
(2019年1月~2019年12月の12ヶ月の平均):
- AUDJPY:1.5284 pips/分 (CADJPYの約1.069倍)
- CADJPY:1.4185 pips/分
このチャートから、以下2点が読み取れます
・いずれの通貨ペアでもボラティリティは減少傾向にあること
・AUDJPYのボラティリティはCADJPYのボラティリティより総じて大きく、約1.07倍
ボラティリティ以外の条件が同じ場合、AUDJPYの通貨ペアを選択したほうがより決済利益が得られると言えそうです
(* 実際はレンジ上限・下限やロスカットラインなどの他条件を加味した選択が必要。本記事ではあくまでボラティリティにのみ注目)
結論:平常時、AUDJPYのボラティリティは、CADJPYのボラティリティの1.07倍程度
3-2.コロナ相場を含めた検証
[2018年-2020年4月推移]
2020年3月:
- AUDJPY:4.7694 pips/分 (CADJPYの約1.150倍)
- CADJPY:4.1469 pips/分
20120年4月:
- AUDJPY:2.5162 pips/分 (CADJPYの約1.187倍)
- CADJPY:2.1201 pips/分
コロナ相場になるとAUDJPY、CADJPYともにボラティリティが大きく上昇、平常時から比べて数倍に跳ね上がっています
相場全体のボラティリティが大きくなった2020年3月4月では、通貨ペア間のボラティリティにも開きが見られ、平常時1.07倍程度だった開きが1.15~1.18倍に広がっています
結論:荒れた相場であってもAUDJPYがCADJPYよりボラティリティが大きい関係は変更なく、その傾向はより強くなる
4.まとめ
今回は「どの通貨ペアを選んだらよいか?」を考える際の一助となるデータを分析してみました
実際に取引するなかで、AUDJPYのほうがCADJPYよりも約定通知メールが届く頻度が多いというのは体感として持っていたのですが、今回の検証によりデータでもその傾向があることが明らかになりました
実際に通貨ペアを選ぶ際には、ボラティリティの大きさだけでなく他条件も加味して決定する必要があるのですが、僕は自動売買においてはこのボラティリティは重要な条件だと考えているので、今回数値化できてよかったです